フィンランド語とスウェーデン語が母国語として話されているフィンランドですが、生活に必要なお店やカフェ、役所での手続きや病院でも基本的に英語があれば生きていけるような国になっています。
「北欧=教育先進国=英語教育が発達してる」のようなイメージがあるかもしれません。
しかし、フィンランド人が英語に堪能な理由は学校教育だけが理由ではありません。もちろん学校教育がベースとなっていることは事実ですが、それ以上に英会話に必要な実践的なものが日常生活にちりばめられています。
今回はそんな、フィンランドでの日常生活にちりばめられている英語が堪能になるための秘密についていくつかシェアさせていただきます。
フィンランド語の吹き替えなし
フィンランドのTV番組や映画では、幼児や小学校低学年世代までのものを除き、基本的にフィンランド語の吹き替えがなく字幕のみになります。
もちろん英語のものだけを日々放送してるのではなくフィンランドの番組やニュースもありますが、放送されてる多くのドラマやシリーズものは英語です。そのため、それらを英語音声のフィンランド語字幕で見ることになります。
いうなれば、小さいころから大人たちが聞いている英語音声を浴びまくることになります。
そして、時間の経過とともにフィンランド語字幕と合わせて理解することで勝手にリスニングスキルは上がります。
携帯ゲームやオンラインゲーム
ゲームやアプリを使用する際にも基本的に英語表記、英語音声になっています。初期設定からナレーション、全てにおいて英語です。
そのため、ゲームをしたければ必然的に英語に触れざる負えません。
妻の実体験として、過去学生時代にアルバイトとして小学生の男の子の面倒を見ていた時期がありました。
フィンランド人の彼と出会った頃は全く英語が話せなかったそうです(フィンランド語で両親と会話をし、学校の英語教育でも日本と同じく簡単な挨拶や数字から学ぶため)。しかし彼はオンラインゲームが好きで、毎日のように英語圏の人たちとプレーをしていたそうです。そうすると、一年後には日常会話に困らないレベルどころか、英語を流暢に話すレベルにまでなっていたようです。
このような何気ない一幕にも英語が使用されており、英語教育の助けになっています。
フィンランド国内で完結する会社・企業が少ない
フィンランドの限られた人口と土地でマーケットを獲得し、利益を出し続けるのはかなり至難の業です。そのため、英語を駆使し他国のクライアントと取引をしている会社・企業が大半となっています。
実際に妻の父親の会社でも、日々英語で取引先とのミーティングややり取りがあるそうで、妻に言わせればフィンランド国内でフィンランド語だけを使っていても、会社として生き残っていくのが困難だとのことでした。
日本のように、ある程度の人口規模・経済規模があり顧客が国内にいる状態だと、フィンランドのようにスピード感をもって他国へアプローチする必要性を感じないのかもしれません。しかし、フィンランドの場合そうしなければ生き残っていけない危機感と常に隣りあわせなのです。
そのため、英語は会社・企業・組織として生き残っていくために必ず持ち合わせてないといけない必須のスキルなのです。
移民や留学生、とにかく外国人が多いお国柄
フィンランドはとにかく様々な人種の人たちが暮らしています。
そして、私のようにフィンランド語を話せない人たちが多く暮らしているのが現状です。そのため、フィンランド人たちが普通に暮らしている中でも英語を話さざる負えない状況がたびたび現れます。
これが彼らにとって心地よい時間かどうかは定かではありませんが、このように英語を話す機会が毎日当たり前のように目の前に転がっているのは、日本で生まれ育った私からしてみると羨ましい限りです。
もちろん、地方の小さな町や行けば行くほど外国人の割合は減り、英語を流暢に話すフィンランド人の割合も減るそうですが、ヘルシンキを始めとする大きな町にいる限り英語のみで不自由なく暮らせる環境が整っています。
実際に私が所属してるサッカーチームも、監督がポルトガル人、フィジカルコーチはイタリア人、チームメートにはポルトガル人・スペイン人・アフリカにルーツのあるたちが所属しています。
過去にはブラジル人・ナイジェリア人・コソボ人・リトアニア人などともチームメートだった経験があります。
そんな彼らとコミュニケーションをとる際にももちろん英語を話します。
まとめ
今回はフィンランド人の多くが英語を流暢に話すことができる理由について、日常生活の場面中心に切り取りました。
結局のところ、「国としての規模が小さいフィンランドが国際競争に生き残るため、フィンランド人が世界で活躍するためには英語が不可欠」という、妻が日に日に口にしているこの事実に限ります。
近年の日本でも「英語は話せるほうが良いよね」という風潮が広まりつつありますが、実際に日常生活で英語が話せないことで感じる不便のようなものはないと思います。
しかしフィンランドでは、風潮というより、事実、現象として特に働き世代や学生たちの間で英語を話せないと苦労することが多々あるのです。
このような多国籍の人が当たり前のように生活を共にするお国柄、国としての世界での立ち位置を踏まえ、フィンランドではフィンランド語と英語はベースで、この二か国語+αというのが当たりまえになっています。
また、これはつい最近まで知らなかったことなのですが、日本は声優というお仕事が当たり前のように世の中に浸透していますが、世界的に見ても日本の声優文化の浸透具合や質の高さは異質だそうです。
これも、日本語需要が高いことや日本国内で日本語のみでの生活が完結していることの確固たる証拠だと思います。
これらを踏まえると、日本人にとって英語を話せるようになる必要性はないのかもしれません。
しかし、昨今のグローバル化や日本への外国人観光客が増え続けている状況を鑑みると、他言語を学ぶことで、新しい発見があるかもしれません。
私もまだまだ語学に関しては勉強中の身なので、今後も引き続き精進してまいります。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。